扁桃炎
About
            扁桃炎とは、喉の奥にある扁桃が細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気です。扁桃は免疫機能に関与しており、体に入ってくる細菌やウイルスを防ぐ役割を持っていますが、感染によって腫れや痛みが生じることがあります。
急性扁桃炎は症状が突然現れ、強い喉の痛みや高熱を伴います。特にA群溶連菌などの細菌感染による場合は、抗菌薬による治療が必要になることがあります。のどの痛みや嚥下困難が見られる場合は、早めに受診してください。
慢性扁桃炎は、症状が繰り返し現れる状態を指します。当院でも、軽い喉の痛みや違和感が長期間続く患者さまを診察することがあります。年に数回以上扁桃炎を繰り返す場合は、当院で精密検査を行い、生活習慣の見直しも含めた適切な対応をご提案しています。
Symptoms
扁桃炎になると、喉の痛みや腫れ、飲み込みにくさを感じます。その他、38℃以上の高熱、舌や喉の表面に白い膿の斑点、頭痛や倦怠感を伴うことがあります。小児では、声がかすれたり、食欲低下や機嫌の悪さとして現れることもあります。
Cause
                扁桃炎は細菌やウイルスの感染が原因で発症します。免疫力が低下していると感染しやすく、
季節の変わり目や寒暖差が大きい時期に増える傾向があります。
            
主な感染経路は、飛沫感染や接触感染です。咳やくしゃみによって飛び散るウイルスや細菌が喉に入り感染するほか、感染者と直接接触した手で口や鼻に触れることで感染することもあります。
Inspection
                扁桃炎の診断には症状の確認に加えて、必要に応じて検査を行います。
当院では、迅速かつ正確に原因を特定するための検査を行っています。
            
細菌感染を短時間で確認できる検査です。数分~数十分で結果が出るため、当日中に治療方針を決定できます。ただし、陰性の場合でも感染を完全に否定できないため、追加検査が必要な場合があります。
迅速抗原検査で陰性だった場合や、原因菌を確定する必要がある場合に行います。培養検査は結果が出るまでに時間がかかりますが、正確な診断と適切な抗菌薬の選択に役立ちます。
炎症の程度や全身への影響を確認するために行うことがあります。白血球の数や炎症マーカーの測定により、細菌感染かウイルス感染かの判断を補助します。
Treatment method
        安静を保ちながら、解熱鎮痛薬を服用することで、喉の痛みや発熱を和らげます。症状に応じて、適切な量や服用間隔を守ることが大切です。
細菌感染が原因と診断された場合には、抗菌薬による治療が必要です。感染の確定や症状の程度に応じて投与期間を決定します。自己判断で中断せず、必ず医師の指示に従うことが重要です。
Complications
扁桃炎を放置すると、喉の周囲や全身に合併症が起こることがあります。
扁桃炎が進行して、扁桃の周囲に膿がたまる状態です。片側の喉の強い痛み、開口障害、嚥下困難などが見られ、場合によっては外科的処置が必要になることもあります。
まれにリウマチ熱や腎炎など全身への影響が起こることがあります。関節痛や尿の異常、全身倦怠感などの症状が出た場合は、速やかに受診してください。
FAQ
飛沫感染や接触感染により、扁桃炎は家族や周囲の人にうつることがあります。咳・くしゃみの際のマスク着用や手洗いで感染予防が可能です。
軽度の症状であれば市販薬で一時的に症状を緩和することは可能ですが、高熱や強い喉の痛みが続く場合は、自己判断せず受診してください。
発熱や強い喉の痛みがある場合は、安静を優先し学校や仕事を休むことが望ましいです。症状が改善した後に復帰するようにしましょう。