夜になると咳が出るのはなぜ?主な原因と受診の目安
夜になると咳が出て、眠りにくくなったり、長引くのではないかと不安になったりする方も多いでしょう。 今回は、夜に咳が出やすくなる理由について、わかりやすくお伝えします。

夜に咳が出やすいのには、体の状態や寝る姿勢、部屋の環境などが関係していることがあります。まずは、夜に咳が出やすくなる代表的な理由をみていきましょう。
夜は体が休む状態に入ることで、空気の通り道である気道が刺激に反応しやすくなることがあります。昼間は気にならなかったほこりや冷たい空気、わずかな炎症でも、夜になると咳として出やすくなることがあるのです。
横になると、鼻水がのどの奥へ流れやすくなったり、胃の内容物や胃酸が食道へ上がりやすくなったりします。こうした刺激がのどや気道に加わると、夜に咳が出る原因になることがあります。昼間はそれほど気にならなくても、寝る姿勢になることで咳が出やすくなることは少なくありません。
寝ている間は、のどや気道が外からの刺激に反応しやすくなります。そこに乾いた空気や冷たい空気が加わると、咳が出やすくなることがあります。とくに冬場や冷暖房を使う時期は、夜間の咳につながることがあります。

夜の咳には、病気だけでなく、毎日の過ごし方や寝る環境が関わっていることもあります。ここでは、夜に咳が出やすくなる主な要因をみていきましょう。
寝室の環境も、夜の咳に関わることがあります。空気の乾燥や冷えに加えて、布団や枕、カーテンにたまったほこりやハウスダストが刺激になり、寝る時間になると咳が出やすくなることがあります。夜だけ咳が強くなる場合は、寝具や室内環境も見直したいポイントです。
鼻づまりがあると、寝ている間に口で呼吸しやすくなります。口呼吸が続くと、のどが乾きやすくなり、粘膜が刺激されて咳が出ることがあります。朝起きたときにのどがカラカラする方や、口を開けて寝ていると言われる方は、この影響が考えられます。
夕食後すぐに横になると、胃の中のものや胃酸が食道へ上がりやすくなります。
これがのどの近くまで上がってくると、のどや気道が刺激され、夜の咳につながることがあります。胸やけや、すっぱいものが上がってくる感じがある方は、この影響が関係しているかもしれません。
とくに、食べ過ぎた日や脂っこい食事をとった日、就寝前に飲食した日は、咳が出やすくなることがあります。夜だけ咳が出る、横になると咳が強くなるという場合は、胃の不調も原因のひとつとして考えられます。
たばこの煙には、のどや気道を刺激する成分が多く含まれています。ご本人が吸っている場合だけでなく、家族や周囲の煙を吸い込む機会がある方でも、のどがイガイガしたり、咳が出やすくなったりすることがあります。
とくに、寝る前にたばこの煙に触れることが多いと、夜間の咳につながることがあります。夜だけ咳が出やすいときは、喫煙や受動喫煙が影響していないか見直すことも大切です。

夜に咳が出るときは、寝室環境だけでなく、呼吸器や胃の病気が関係していることもあります。ここでは、夜の咳で考えられる主な病気をお伝えします。
夜や明け方に咳が出やすい病気として、咳喘息や気管支喘息があります。
咳喘息は、ゼーゼー、ヒューヒューという音がはっきり出ないこともありますが、乾いた咳が長く続きやすいのが特徴です。また、喘息の場合は昼よりも夜に咳が出ます。
気管支喘息では、咳に加えて息苦しさや胸の重さを伴うこともあります。
とくに、横になったあとに咳き込みやすい方、風邪のあとから咳だけが残っている方、季節の変わり目や冷たい空気で咳が強くなる方では、このような病気が隠れていることがあります。
気管支炎や肺炎でも、夜に咳が強くなることがあります。
気管支炎では、のどから胸にかけて炎症が起こり、痰のからむ咳が続くことがあります。
肺炎になると、咳だけでなく、発熱、だるさ、胸の痛み、息苦しさなどを伴うこともあります。
とくに、痰が増えている、高い熱が続いている、体を休めても咳が治まらないといったときは注意が必要です。
夜の咳は、胃ではなく食道の不調が関係していることもあります。
逆流性食道炎では、胃酸が食道へ上がることで胸やけが起こり、のどの近くまで刺激が及ぶと咳につながることがあります。
とくに、夕食後すぐに横になる方や、胸やけ、すっぱいものが上がってくる感じがある方では、この可能性も考えられます。
たばこを長く吸っている方では、気道や肺に負担がかかり、慢性的な咳や痰が続くことがあります。
代表的なものにCOPDがあり、咳や痰に加えて、階段や坂道で息切れしやすくなることもあります。
はじめは年齢のせいと思いやすい症状でも、喫煙による肺の病気が隠れていることがあります。喫煙歴があり、咳や痰、息切れが続くときは、一度確認しておくことが大切です。

夜に咳が出ても、すぐに受診すべきか迷う方は少なくありません。ここでは、様子を見るだけでなく、内科で相談した方がよい目安をお伝えします。
風邪のあとに咳だけが残ることはありますが、2週間以上続いている場合は、先ほどお伝えしたような呼吸器や胃の不調が関わっていることもあります。
夜だけ咳が出るように思えても、体を休める時間帯に症状が目立っているだけで、原因が続いていることも少なくありません。
いったん軽くなったのにまた咳が続いているときや、なかなか治まりきらないときは、そのままにせずご相談ください。
夜になると咳が強くなって眠れない、横になるたびに咳き込んでしまうときは、受診を考えたい状態です。睡眠がとれない日が続くと、体の回復もしにくくなり、日中のだるさや集中しにくさにもつながります。
また、横になると咳が悪化する場合は、鼻水がのどへ流れている、胃酸が上がってきている、気道が敏感になっているなど、原因がはっきりしていることもあります。夜だけだからと様子を見続けず、原因に合った治療につなげることが大切です。
咳に加えて、息苦しさ、血の混じった痰、高い熱、胸の痛みがあるときは注意が必要です。
強い炎症や肺の病気などが関係していることもあり、夜間の咳だけよりもしっかり確認したい状態です。
とくに、呼吸がしづらい、熱が下がらない、胸を動かすと痛むといった症状があるときは、そのままにせず早めに受診しましょう。
市販の咳止めを使っても変わらない、飲んでいる間だけ少しましになるものの、やめるとまた咳が出るというときは、市販薬だけでは原因に合っていないことがあります。
夜の咳は、咳の出るきっかけによって対応が変わるため、自己判断だけでは治まりにくいこともあります。
原因を確かめたうえで対応することで、夜のつらい咳がやわらぐことがあります。気になるときは、お気軽にご相談ください。

夜の咳がつらいときは、少し過ごし方を見直すことで楽になることがあります。ここでは、ご自宅で取り入れやすい対処法をお伝えします。
横になると咳が出やすいときは、上半身を少し起こした姿勢で休むと楽になることがあります。
クッションや折りたたんだタオルを使って、頭から背中にかけて少し高さをつけると、鼻水や胃酸がのどへ上がりにくくなり、咳が落ち着きやすくなります。 無理に高くしすぎると寝にくくなることもあるため、楽に呼吸しやすいと感じる高さで休むようにしましょう。
のどが乾いていると、少しの刺激でも咳が出やすくなります。
夜に咳がつらいときは、白湯やぬるめのお茶など、温かい飲み物でのどをうるおすと、咳がやわらぐことがあります。
熱すぎる飲み物はかえって刺激になることがあるため、ゆっくり飲める温度にするのがよいでしょう。
寝室の空気が乾いていたり冷たすぎたりすると、のどや気道が刺激されて咳が出やすくなります。エアコンを使う時期は、とくに乾燥しやすいため、加湿器を使ったり、ぬれタオルを部屋にかけたりして、空気の乾きをやわらげる工夫が役立ちます。
また、冷たい空気が直接当たる場所で寝ていると、夜間の咳につながることがあります。エアコンの風向きや寝る位置を見直し、のどに負担がかかりにくい環境を整えてみましょう。

夜に咳が続くと、眠れない日が増えたり、日中も疲れやすくなったりします。
咳が長引くときや、横になると悪化する、胸やけや息苦しさも気になるときは、原因を確認することが大切です。
北五条医院では、夜に咳が出る原因をふまえながら、お話をうかがい、症状に合わせて診ていきます。岩見沢市で夜の咳にお困りの方は、ひとりで悩まず、北五条医院へお越しください。
エリヤ会 北五条医院 院長
佐藤 巌
