バレット食道│岩見沢市の内科【医療法人 エリヤ会 北五条医院】

バレット食道は、胃酸が繰り返し食道に逆流することによって発生する病気です。
胃酸が食道に逆流し続けることで、食道の下部にある粘膜が腸に似た形態に変化してしまいます。
この変化は「腸上皮化生」と呼ばれ、長期間の胃酸逆流が引き金となります。バレット食道は、逆流性食道炎が慢性化した結果として現れることが多いです。

バレット食道の主な原因は逆流性食道炎です。胃酸が食道へ繰り返し逆流すると、食道下部に炎症が起こり、粘膜が腸の粘膜に似た状態（腸上皮化生）へと置き換わっていきます。この変化が長く続くと、やがてバレット食道へ進行します。
リスクを高める要因としては、まず慢性的な胃酸逆流が挙げられます。さらに、肥満（腹部の脂肪により腹圧が高まり逆流しやすくなる）、喫煙や過度の飲酒（逆流を助長する）、そして年齢・性別（とくに50歳以上の男性に多い）も関係します。
これらに心当たりがある場合は、症状の有無にかかわらず一度ご相談ください。定期的なチェックで早期に対策をとることが大切です。

バレット食道を確定診断するために、胃内視鏡検査を行います。これは、口または鼻から細いカメラを挿入し、食道や胃の状態を直接観察する検査です。バレット食道の特徴的な粘膜の変化を確認し、必要に応じて生検（組織を採取）を行います。検査は無痛で、通常は軽い鎮静剤を使って行いますので、安心して受けていただけます。

お薬での治療

バレット食道の治療には、まず胃酸の分泌を抑える薬（PPI薬）を使用します。これにより、胃酸が食道に逆流するのを防ぎ、炎症を抑えることができます。また、生活習慣の改善と併せて治療することで、症状の改善が期待できます。定期的に医師と相談しながら、薬の調整を行っていきます。

生活習慣の見直しによる予防

バレット食道の進行を防ぐためには、生活習慣の見直しが重要です。特に食事のタイミングや食事内容を改善することが予防に繋がります。例えば、食後すぐに横にならない、過食を避けるなど、日常生活でのちょっとした工夫が効果的です。

食事と栄養管理での予防

食事内容の改善は、バレット食道予防に非常に有効です。脂肪分の多い食事や刺激の強い食品（辛い物、酸味の強い物など）は、胃酸を増加させる原因になるため、できるだけ控えるようにしましょう。また、食物繊維を多く含む食品や、ビタミンCなどの栄養素を意識的に摂取することが予防につながります。

禁煙・飲酒制限による予防

禁煙や飲酒制限も、バレット食道の予防には非常に効果的です。タバコやアルコールは、胃酸の逆流を引き起こす原因となりますので、できるだけ控えることをお勧めします。

定期的に検診を受ける

バレット食道は、症状がほとんど現れないまま進行してしまうことがあるため、早期発見のための定期検診がとても重要です。胸やけや喉の違和感といった軽い症状が続いている方はもちろん、症状が落ち着いている場合でも、粘膜の状態を定期的に確認することで、悪化を防ぐことができます。

バレット食道は、長期間放置すると食道がんに進行する可能性があります。これは、バレット食道の粘膜が腸のように変化し、腸上皮化生が進行することで、異形成（がんの前段階）が発生するからです。しかし、早期に治療を行い、定期的な検査を受けていれば、そのリスクを大きく減らすことができます。